Googleでは、2019年5月8日に行われた「Google IO 2019」で、Pixel 3aの販売を予告しました。前機種である「Pixel 3」とは違い、価格が大幅に値下げされていることに驚いたユーザーも多いかと思います。ただし、低価格になったことでスペック面や機能性が失われてしまったのでは、と心配する人もいますがそこまで大きなダウングレードにはなっていません。
本記事では、Pixel 3aのスペックレビュー、およびPixel3との比較からそれぞれの端末の違いについて解説していきます。Pixel 3aの購入を検討している人の参考になりましたら幸いです。
Pixel 3aの販売開始日と価格
「Google IO 2019」でPixel 3aの発表が行われた翌日、早速キャリアやGoogleストアにて端末の予約が開始されました。発売日は「2019年5月17日」となっており、今現在取り扱いが決まっているのは、下記2つのストアになります。
- Googleストア
- ソフトバンク
- ドコモ
Googleストアで購入すると、SIMフリーのPixel 3aを入手することが可能。格安SIMやソフトバンク、ドコモ以外のキャリアを使っている方は、GoogleストアでPixel 3aを購入した方が良いと考えられます。
さらにGoogleストアでは、Pixel 3aおよびPixel 3a XLを2019年5月17日までに予約購入したユーザーに、Googleストアにて期間限定で使える5,000円分のプロモーションコードをプレゼント。Googleストアのアプリなどにも使えるコードなので、SIMフリー版を購入するメリットはそこそこ大きいでしょう。
Pixel 3aとPixel 3a XLの価格
それぞれの端末価格は次の通りです。
機種名 | 価格 | 尾行 | |
Pixel 3a | 48,600円 | 一括払いのみ | |
Pixel 3a XL | 60,000円 | ||
ソフトバンク | Pixel 3a | 57,120円(税込) | 一括/24回/48回払い選択可能 |
Pixel 3a XL | 67,680円(税込) |
ソフトバンクは税込価格での表記となっていますが、これを税抜きとして考えたとしても、Googleストアで購入するよりも若干機種代金が高くなっています。しかし、ソフトバンクでは分割払いを選択できるのがポイントです。Googleストアでは、一括払いにしか対応していません。
Pixel 3aのスペック
Pixel 3a、およびPixel 3a XLの基本的なスペックをまとめました。
Pixel 3a | Pixel 3a XL | |
OS | Android 9.0 | |
ディスプレイ | 5.6インチ | 6.0インチ |
サイズ | 高さ:151.3mm 幅:70.1mm 厚さ:8.2mm |
高さ:160.1mm 幅:76.1mm 厚さ:8.2mm |
重さ | 147g | 167g |
バッテリー | 3,000mAh | 3,700mAh |
CPU | Snapdragon 670 | |
ストレージ | 64GB | |
メモリ | 4GB | |
背面カメラ | 12.2MP | |
前面カメラ | 8MP | |
カラー | ジャストブラック / クリアリーホワイト / パープリッシュ | |
対応ポート | USB Type-C | |
価格 | 48,600円 | 60,000円 |
Pixel 3aとPixel 3a XLではほとんどスペック面において違いはありません。XLは、通常サイズのPixel 3aよりもディスプレイサイズが大きく、バッテリー容量が少し増えた端末だと思ってもらっても良いでしょう。
FeliCaに対応している
今回のGoogle Pixel 3aは、「FeliCa(フェリカ)」に対応しています。通常海外のスマートフォンと言えばFeliCaは日本のガラパゴス技術みたいなものなので、ほとんどスマホに搭載されてきませんでした。しかし、Pixel 3aは日本での販売に伴ってSIMフリー版でもFeliCa対応できるように設計。
これにより、日本もますます電子マネー決済が普及、そしてHUAWEIを始めとしたSIMフリー端末も今後FeliCa対応になってくることが期待されます。ちなみにFeliCa対応の主な電子マネーは次のようなものになります。
- 交通系ICカード:Suica、PASMO、ICOCAなど
- プリペイド型電子マネー:WAON、楽天Edy、nanacoなど
- クレカ連動型電子マネー:QUICPay、iDなど
SIMフリー版対応ネットワーク
Googleストアで販売されているPixel 3aは、SIMフリー版となるので対応ネットワークが木になる方も多いかと思います。
Pixel 3aのLTE対応バンドは、「1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 8 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 21 / 26 / 28 / 38 / 41」となっており、基本的にドコモやau系のネットワークにもしっかりと対応しています。以下が、それぞれのキャリアの対応ネットワークです。
周波数帯(バンド) | Docomo | au | UQ | ソフトバンク | ワイモバイル |
---|---|---|---|---|---|
2100MHz(Band1) | W-CDMA LTE | CDMA2000 LTE | W-CDMA LTE | ||
1800MHz(Band3) | LTE | LTE | |||
800MHz(Band6) | W-CDMA | ||||
900MHz(Band8) | W-CDMA LTE(プラチナ) | W-CDMA LTE |
|||
1700MHz(Band9) | W-CDMA | ||||
1500MHz(Band11) | LTE | W-CDMA | |||
800MHz(Band18) | CDMA2000 LTE(プラチナ) | ||||
800MHz(Band19) | W-CDMA LTE(プラチナ) | ||||
1500MHz(Band21) | LTE | ||||
800MHz(Band26) | LTE | ||||
700MHz(Band28) | LTE | LTE | |||
2.5GHz(Band41) | TD-LTE | LTE | |||
3.5GHz(Band42) | LTE | LTE | LTE |
上記に合致しているバンドがあれば基本的に使えます。ドコモ系ネットワークなら、B1、B3、B19、B21、B28に対応しているので問題なくLTE通信が可能。au系ネットワークも、B1、B18、B26、B28に対応しているので大丈夫です。
プラチナバンドを使える周波数帯が700〜900MHz帯なので、B8、B18、B19、B26に対応していれば広いエリアで通信が可能です。Pixel 3aのSIMフリー版はドコモ、au、ソフトバンクのプラチナバンドに対応しているので、快適なネットワーク通信を行うことができます。
Pixel 3aのレビューとPixel 3と違い
以下の点を徹底レビューしていきます。
レビュー項目
- デザインや設計
- バッテリー容量
- カメラ
- 性能とベンチマーク
また、Pixel 3との共通点は違いにに関しても紹介します。
デザインや設計
Google Pixel 3aとPixel 3のデザインは非常によく似ているので、同じモノとして混合してしまう人も多いでしょう。エッジスクリーンは丸みを帯びており、カメラの位置が前面、背面で全く同じ箇所に配置されており、エッジ部分のボタンの位置も同じ場所にあります。
Pixel 3にも搭載されていた「Google Assistant」に関しては、Pixel 3aにも引き続き継承されており、Active Edgeは健在です。
基本的なデザインは全く一緒のデザインになっていますが、唯一違うのが「イヤホンジャックの有無」。昨今のハイエンドモデルでは、イヤホンジャック廃止の流れになっており、Pixel 3でもイヤホンジャックは付いていませんでした。しかし、Pixel 3aではイヤホンジャックが復活。
これにより、Bluetoothイヤホンはなんとなく音質が悪い、音が遅延すると敬遠していた人も手に取りやすくなったのではないでしょうか。しかし、スピーカーはPixel 3aで「デュアル前方放射型ステレオスピーカー」が失くなりました。スピーカーで音楽を聴く場合は、少し音質の劣化が気になるかもしれません。
Pixel 3aは、151.3 x 70.1 x 8.2 mmのサイズで、Pixel 3と比較すると若干大きくなっています。画面サイズが0.1インチ大きくなったことと、エッジ部分のベゼル幅が広くなったことでサイズ感が変わったと推測できます。ですが、重量は148gから147gにほんの僅かだけ下がりました。
サイズが大きくなったにも関わらず重量が減ったのは、背面に使われている素材が違うからです。Pixel 3では背面にガラスを採用していたのでその分重いのがデメリットでしたが、Pixel 3aの背面は軽い素材のプラスチックが採用されています。「高級感」という面で見ると、Pixel 3aの方が劣っているのは間違いありません。
Pixel 3aの生体認証は、「指紋認証」となっており、背面に指紋センサーが取り付けられています。人差し指で届きやすい位置にあるのは、Pixel 3と変わっていません。
そして最後にディスプレイに関してですが、Pixel 3aでは解像度が2220 × 1080のフルHD+とOLEDが採用されています。ピクセル数も441dpiとかなり高く、Pixel 3とほぼ違いはありません。ディスプレイで異なってくるのが、最大輝度と、色の再現性です。この部分に関しては、少しPixel 3aの方が劣っていますが、同価格帯のスマホと比較した場合、同等かそれ以上のレベルには達しています。
バッテリー容量
Pixel 3aのバッテリー容量は、3,000mAh、XLになると3,700mAhになります。一方のPixel 3は2,915mAhのバッテリー容量なので、3aの方が少し優れていると言えます。3,000mAhのバッテリーがあれば、一日充電しなくても朝から夜まで問題なく使えるはずです。
Pixel 3とPixel 3aは対応ポートがどちらもUSB Type-Cとなっており、最大18Wの入力で充電することができます。しかし、Pixel 3aにはPixel 3に搭載されていたワイヤレス充電機能がありません。そのため、充電は有線で行わなければいけないのが大きな違いとなります。
カメラ
Pixel 3のカメラは非常に高性能だったため、海外のメディアでも「カメラ性能の良いスマホ」として度々取り上げられていました。そして今回発売されたPixel 3aと比較すると、スペック面はそこまで変わらないように見えます。12.2MPの背面カメラと、8MPの前面カメラは一緒になります。
しかし、Pixel 3aには「スペクトル + フリッカー センサー」が搭載されていません。また、3aには「Pixel Visual Core」がありません。このチップセットは、HDR+を含む写真の画像処理を強化するためにPixel 3に搭載されており、あり・なしで大きく写真の印象が異なるようになります。
前面カメラの違いは、広角カメラが搭載されているかどうかの違いです。撮影時の視野角がPixel 3aだと84度までですが、Pixel 3の広角カメラを使えば97度まで撮影範囲を広げることが可能。自撮りや複数人数でのグループ撮影の時に広角カメラは非常に役立つので、あれば嬉しい機能なのは間違いありません。
しかし、Pixel 3aの低価格路線を維持するためには、こういった万人が使うかわからない機能を省略するのは仕方がない戦略だと思います。自撮りをしない人にとっては大きな違いは生まれないので、むしろ削ってもらって低価格になったことに嬉しさを覚えるユーザーもいるでしょう。
性能とベンチマーク
Pixel 3aは、SoCにSnapdragon 670を採用。一方のPixel 3ではSnapdragon 845を組み込んでいるため、これと比べるとグレードダウンとしているのは明らかです。SoCの違い、例えば指紋認証で端末のロックを解除した時、解除までにかかる時間がPixel 3aの方が長かったり、アプリを大量に開く、Pixel 3でサクサク動いていたゲームもカクカク動作になってしまうような感じで、様々な場面で影響を与えます。
実際にSnapdragon 670と845ではどのくらいSoC性能に差があるのかを「Geekbench」から引用させていただきました。
Snapdragon 670 (Pixel 3a)
Snapdragon 845 (Pixel 3)
シングルコアのベンチマークは極端に大きな違いはありませんが、マルチコアのスコアに関しては大きく差がついています。処理能力に関しては断然Snapdragon 845の方が上で、このSoCはGalaxy S9やXiaomi Mi 8などのハイエンドモデルにも使われています。
Pixel 3aはSoCから見れば完全にミドルレンジスマホです。そしてベンチマークスコアにもしっかりとミドルスコアを叩き出しています。マルチコアのスコアが5,000以上なので、ミドルレンジスコアとしては申し分ない性能と言えます。
参考までに、iPhone 6sではマルチスコア4,000〜4,700ポイントで、iPhone 7だと5,700〜6,200ポイントとなっています。
iPhone 7よりは少し性能が落ちる形になりますが、割とヌルサクでゲームも動く端末とほとんど変わらない性能なのは、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
個人的な評価:Pixel 3aはミドルレンジスマホの中で優秀
ここまで、Pixel 3aのスペック紹介とPixel 3との違いを徹底的に紹介してきました。
Pixel 3aはハイエンドモデルのPixel 3よりもお手頃価格になっていますが、その分妥協しなければいけない点もあります。ただし、それが自分にとって本当に必要かどうかを考えた時、むしろPixel 3aで十分なユーザーも多いでしょう。
「Pixel 3a vs 3」の大きな違いまとめ
- 背面がガラスからプラスチックに
- 「デュアル前方放射型ステレオスピーカー」の廃止
- ワイヤレス充電廃止
- 「Pixel Visual Core」の廃止
- SoC性能差はそこそこ大きいが、ミドルレンジスマホとしては十分
個人的な評価でいうと、ミドルレンジスマホの中では非常に優秀。SIMフリースマホでありながらFeliCaも使え、価格も48,600円からとPixel 3と比較した時に約半額ほどになっているのが嬉しいポイント。性能差に関しては目を瞑る必要はありますが、それでもミドルレンジスマホとして十分なベンチマークも出ているので、あまりにも重い処理が発生するゲームをしなければ購入を検討してもいいと思いました。
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