2018年に発売された新型のiPhone XS/XS MAX。iPhone Xからの進化はそこまで大きくありませんが、CPUやカメラ性能などは確実に良くなっています。
そして、iPhone XS/XS MAXの発売に伴って値下げが行われたiPhone 8。正直な所、iPhone 8を使っていた身としては十分すぎるスペックな事や、価格がiPhone XSとは比べ物にならないくらい安いということで、今回の新作とiPhone 8どっちを買おうか迷っている人も少なくないはず。
そこで本記事では、iPhone XS/XS MAXとiPhone 8を徹底比較。実機を見ながら両者を比較し、どっちを買うべきか判断してもらえたら幸いです。
今回は、iPhone XS MAXとiPhone 8を比較しています。画面サイズ以外はXSと変わりませんが、ご了承ください。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8の比較ポイント
iPhone XSとiPhone 8では見た目が大きく異なります。それ以外にも性能面で違いが多いので、今回は次のポイントをそれぞれの端末で比較していきます。
- サイズ/重さ
- 端末のスペック
- カメラ性能
- ベンチマーク
- 販売価格
なお、比較に使う端末がiPhone XS MAXなので、写真で見ると大きさがかなり異なることをご了承ください。その他に、カメラ性能やスペックなどはかなり差異があるので、比較ポイントとしてチェックしてもらえればと思います。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8を大きさ/重さで比較
iPhone XS、iPhone XS MAX、iPhone 8の寸法とディスプレイサイズ、および重さは次のとおりです。
モデル | ディスプレイ | 寸法 | 重さ |
iPhone XS | 5.8インチ | 143.6 x 70.9 x 7.7mm | 177g |
iPhone XS MAX | 6.5インチ | 157.5 x 77.4 x 7.7mm | 208g |
iPhone X | 5.8インチ | 143.6 x 70.9 x 7.7mm | 174g |
iPhone 8 | 4.7インチ | 138.4 x 67.3 x 7.3mm | 148g |
下記はiPhone XS MAXとiPhone 8を並べて撮影した写真ですが、6.5インチと4.7インチでは大きく寸法も異なるのがハッキリ分かるかと思います。
また、iPhone XSにと同じサイズであるiPhone XとiPhone 8と比較してみると少しだけiPhone 8のほうが小さい事がわかります。
ほんの少し寸法が大きいだけのiPhone XSですが、最大の違いはディスプレイサイズになります。iPhone XSのディスプレイサイズが5.8インチに対して、iPhone 8は4.7インチと約1.1インチの差が。
この差は、iPhone Xからホームボタンが廃止されたことで、スマホのベゼルレス化が一気に進んだことによる影響です。
ホームボタンの廃止は賛否両論ありますし、筆者もiPhone Xを利用するまで改悪だと思っていました。しかし実際に使ってみるとその評価は一転。ホームボタンがなくても慣れたら操作しやすいですし、ボタンを押すという作業が無くなったので一手間操作が減ったのかなと感じます。
ホームボタンは指紋認証が優秀でしたが、Face IDがあればほぼ問題ありません。おまけに指紋認証は冬の季節だと手袋を毎回外さなければいけないのが個人的に嫌いでした。マスク等もする機会が殆どないため、Face IDに慣れると非常に使いやすく感じるはずです。
重さを計測
スペック紹介にあるiPhone 8とiPhone XS MAXの重量は本当に正しいのかを計測してみました。
重さはiPhone XS MAXで208.7g、iPhone 8で148.4gと、ほぼほぼスペック通りの数値を記録できました。僅かな誤差は指紋などがついていることなどが原因として挙げられます。
実際に手に持ってみると、200g超えのiPhone XS MAXは少々ずっしり重いなと感じます。ある意味安定感があるのは間違いありませんが、iPhone 8を持ってからiPhone XS MAXを持つと体感重量の違いに驚き。
50g以上の重量差は思った以上にあるなと感じました。慣れると重さは感じないかもしれませんが、軽いスマホが良いという方はiPhone 8のほうが確実に向いているでしょう。
また、重い分だけ落としたときの衝撃も強くなるので、個人的にはiPhone XS MAXのほうが壊れやすいのではないかと思います。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8をスペックで比較
基礎スペックで比較
iPhone 8 | iPhone XS | iPhone XS MAX | |
ディスプレイ | 1331 x 750(4.7インチ) 326dpi Retina HD |
2436 x 1125(5.8インチ) 458dpi Retina |
2688 x 1242(6.5インチ) 458dpi Retina HD |
3D Touch | ◯ | ◯ | ◯ |
Face ID | × | ◯ | ◯ |
Touch ID | ◯ | × | × |
Apple Pay | ◯ | ◯ | ◯ |
CPU | A11 Bionic+ | A12 Bionic+ | A12 Bionic+ |
ストレージ | 64/256GB | 64/256/512GB | 64/256/512GB |
バックカメラ | 約1200万画素 (F値1.8) |
約1200万画素 広角 F値1.8 望遠 F値2.4 |
約1200万画素 広角 F値1.8 望遠 F値2.4 |
フロントカメラ | 約700万画素 (F値2.2) |
約700万画素 (F値2.2) |
約700万画素 (F値2.2) |
ビデオ撮影 | 4K:24/30/60fps 1,080p:30/60fps 720p:30fps |
4K:24/30/60fps 1,080p:30/60fps 720p:30fps ステレオ録音 |
4K:24/30/60fps 1,080p:30/60fps 720p:30fps ステレオ録音 |
SIMサイズ | nanoSIM | DSDS (nanoSIM + eSIM) 日本非対応 |
DSDS (nanoSIM + eSIM) 日本非対応 |
防水/防塵 | IP67 | IP68 | IP68 |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
ワイヤレス充電 | Qi | Qi | Qi |
サイズ | 幅:67.3mm 高さ:138.4mm 厚さ:7.3mm |
幅:70.9mm 高さ:143.6mm 厚さ:7.7mm |
幅:77.4mm 高さ:157.5mm 厚さ:7.7mm |
重量 | 約148g | 約177g | 約208g |
カラー | スペースグレイ ゴールド シルバー |
スペースグレイ ゴールド シルバー |
スペースグレイ ゴールド シルバー |
iPhone XSはサイズは当然のことながら、カメラ周りやCPU、防水性能などは確実にパワーアップしています。それぞれの項目で、大きな違いがある部分を比較していきます。
認証方式がFace IDのみに
iPhone XSとiPhone 8最大の違いは、認証方式の変更です。今までのiPhoneだとホームボタンを端末下部に取り付けて「指紋認証」による画面ロックの解除、Apple Storeでの支払いなどを行っていました。
しかし、iPhone Xからホームボタンが無くなったことで認証方式も顔を使ったFace IDに変更。今まで指紋認証をしていた人にとってはFace IDでの認証は慣れないと思います。
また、Face IDは寝起きの顔や暗い所での認証が難しかったり、マスクをしていると認証が通らないという事もあり不評の声がちらほらと挙がっています。この辺りはiPhone XSでも継続した課題です。
Face IDを登録する際も少しコツが有り、表情を変えずにFace IDの登録を続けていると顔のパターンが記録できないので精度が落ちます。口角を上げてニッコリしたり、表情を少しずつ変えていくと色々なパターンを覚えるので、もしiPhone XSをこれから購入するという方は試してみてください。
ただ、最悪パスコード入力での認証もできるので、そこまで気にしすぎる必要もないかもしれません。
A12 Bionic+搭載で過去最高クラスのパフォーマンスに
iPhone 8に搭載されているA11 Bionic+と比較すると、2コア性能が最大15%高速、4つの効率コアで最大50%の消費電力と公式で謳っています。単純なCPU性能の向上だけではありませんが、iPhone 8とiPhone XSではベンチマークスコアが大幅に異なります。
詳しくは「iPhone XS/XS MAXとiPhone 8のベンチマークを比較」の項目を参照。
SIMスロットがついにDSDS対応!しかし…
iPhone 8やiPhone XまではSIMスロットがnanoSIM1つのみの対応でした。しかしiPhone XS/XS MAXではついにDSDSに対応。nanoSIMとeSIMの2つをスロットに挿して使えるようになりました。
しかしここで問題が発生。
日本の3大キャリアではeSIMを取り扱っていないため、日本ではDSDSの機能を使うことが出来ません。中国などではeSIMとnanoSIMを使ったDSDS対応ができているだけにこれは非常に残念。
日本の場合キャリアの囲い込みが激しく、ユーザーを他のキャリアへ逃したくないため、eSIMの対応が遅れているのかと言われています。eSIMは簡単にキャリアを変えられるようになる規格なので、それが敬遠されているのでしょう。
防水防塵機能が何気なく向上
iPhone 7からようやくiPhoneでも防水機能が備え付けられました。iPhone 8ではIP67でしたが、iPhone XS/XS MAXではIP68まで何気なく向上しています。
いわゆる、防水防塵の最高クラスの性能となっており、塵や埃などは完全に防御した上で長時間の水没にも耐えれるレベルになりました。実際に海外YouTuberが、iPhone XSを水の中に長時間水没させている動画を公開しています。
20分水没させても全く問題なし。
海に水没させたり、水上スキーをしていても全く問題なし。
Galaxy Note9同等の防水防塵性能になったiPhone XS。水による影響が非常に少ないことが動画を見てわかりました。下記が実際のYouTube動画になります。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8のカメラ性能を比較
iPhone 8のカメラはシングルレンズのため、ポートレート撮影ができません。ポートレート撮影とは、被写体周りをぼかすことでプロっぽく撮影ができるようなる技術です。
iPhoneXS/XS MAXはデュアルレンズであり、ポートレートモードも備わっています。
通常撮影
iPhone 8では通常の撮影しかできないので、iPhone XSと通常の撮影を行って比較してみました。それぞれで撮影した写真が下記となります。
基本的に変わらないことが何となくわかります。事実レンズ性能はそこまで変わっておらず、画素数は同じ1200万画素、F値も広角であれば同じ1.8となっています。iPhone XSのカメラの進化ポイントは、赤目修正、露出コントロール、写真のスマートHDRなどが搭載されたこと。
とは言っても基本となる手ぶれ補正などはiPhone 8にも備わっているため、通常撮影ではあまり差が生まれません。
iPhone XSのポートレートモードでの撮影
背景をぼかすテクニックが使える「ポートレートモード」で撮影をしてみたのが下記となります。
よく見ると、葉っぱと葉っぱから映り込む壁がぼけておらず、若干違和感を覚える仕上がりに。ソフトウェア側でのぼかし調整を行うため、まだこの辺りは洗練しきって無いのだと思います。
とは言っても、後ろの支柱はハッキリと目でわかるようにボケており、カメラ素人でも手軽にいい感じの写真が撮れるようになっています。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8のベンチマークを比較
iPhone XSとiPhone 8のベンチマークを比較。ベンチマークは「GeekBench 4」のアプリ版を使ってスコアを測定しています。CPU性能ではなく、単純なスマホ性能をベンチマークした結果がコチラ。
約6,000ポイントの差をつけて、iPhone XSのベンチマークが勝っているのがわかります。A12には次世代のニューラルエンジンが搭載されており、A11と比べてニューラルエンジンコア数が1個から8個に増えています。
ニューラルネットワークの差がベンチマークに差をもたらしたと考えられます。
ですが、iPhone 8も決して悪い数字ではなく、むしろスマホ界の中では上位に来るほど優秀ではあります。重い3Dゲームもサクサク動きますし、普通に使っている以上は動作に支障をきたす事は無いです。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8を価格で比較
iPhone XSおよびiPhone XS MAXの価格が非常に高いことは、既にご存知かと思います。その裏で、iPhone 8はこっそり値下げされました。
1年前より100ドルの値下げが行われ、日本での価格もおよそ10,000円程度値下げされました。
容量 | iPhone XS | iPhone XS MAX | iPhone 8 |
64GB | ¥112,800 | ¥124,800 | ¥67,800 |
256GB | ¥129,800 | ¥141,800 | ¥78,800 |
512GB | ¥152,800 | ¥164,800 | - |
上記価格にAppleCareをつけると別途22,800円(税抜)上乗せされます。これにより、iPhone XS MAXの512GBは税込みで20万円以上の高価格に。正直高スペックパソコンと一切変わらない値段をスマホに出せるかと言われると躊躇するかと思います。
そこで今買い時なのがiPhone 8。やはり10,000円近い値下げをされていることもあり、iPhone SEや5s、6sを使っていた人はホームボタンもあるiPhone 8へ乗り換える人が多いようです。
iPhone XS/XS MAXを買うべき人
ここまでの比較を踏まえ、iPhone XS/XS MAXを買うべき人は次のように位置づけました。
- 新作のiPhoneは絶対に試してみたい
- 指紋認証やホームボタンの有無は気にならない
- どうせなら大画面のスマホを持っておきたい
- 手軽にプロっぽい仕上がりにできるカメラを試したい
iPhone Xから乗り換える人にとって、iPhone XSは少々物足りないかと思います。なので、もしiPhone Xからの乗り換えならiPhone XS MAXを選択すべきです。
逆に大画面はいらず、最新端末を使いたいという方はiPhone XSが良いでしょう。iPhone 8と寸法は少ししか大きくないにも関わらず、ディスプレイサイズは1.1インチも差があるのは非常に大きなメリットだと思います。
iPhone 8を買うべき人
- 重量はなるべく軽いほうが良い
- ホームボタン/指紋認証が絶対に欲しい
- コスパ重視!10万円を超えるスマホはいらない
- カメラ性能にそこまでこだわりがない
今回のiPhone XSは高額なので、コスパを重視する方はiPhone 8を買うべきです。ポートレートモード撮影ができなかったり、若干性能差はありますが、iPhone 8は十分すぎるくらい高性能です。
ゲームがサクサクはもちろんのこと、Apple Payやワイヤレス充電にも対応しているので、機能面で言えばそこまでiPhone XSと変わらないのです。
また、現在iPhone SEやiPhone 6sなどを使っている場合、操作に慣れているiPhone 8の方が違和感なく移行ができます。人によってはどうしても指紋認証が欲しい事もあるので、そういった方もiPhone XSよりiPhone 8がおすすめです。
iPhone XS/XS MAXとiPhone 8の比較/まとめ
ここまで、iPhone XS/XS MAXとiPhone 8を徹底的に比較してきました。
比較ポイントとしては、価格、性能、カメラ、など色々とありますが、最終的には自分のライフスタイルで選ぶのが無難でしょう。カメラにこだわりがないならiPhone 8で良いですし、新しいものがとことん好きという方はiPhone XSという選択肢があります。
どっちを購入しても失敗はないくらい両者とも高性能なiPhoneであるのは間違いありません。iPhone選びに、今回の記事を参考にして頂けたら幸いです。
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