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iPhone XSのカメラ性能をレビュー!Xと比較した進化はポートレートモード処理か

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2018年9月21日に発売されたiPhone XSおよびiPhone XS MAXは、前作のiPhone X同様にノッチありのベゼルレスデザインの端末に。スペック自体はそこまで大きな進化を感じられないiPhone XSですが、実際に利用してみると、カメラ機能に関しては直感的にわかるくらいの進化を遂げたと感じました。

そこで本記事では、iPhone XSのカメラ性能を徹底レビュー。iPhone Xと比較して何が進化したのかをご紹介します。

本記事ではiPhone XS MAXを使ったカメラ性能レビューを行っています。端末は違いますが、カメラ仕様はiPhone XS同様となっているのでご了承頂けたら幸いです。

iPhone XSのカメラ性能(スペック)

iPhoneXS/XS MAXとiPhone Xのカメラ性能を表にしてまとめたのが下記となります。

iPhone XS/XS MAX iPhone X
背面カメラ デュアル12MPカメラ
広角:ƒ/1.8絞り値
望遠:ƒ/2.4絞り値
デュアル光学式手ぶれ補正
2倍の光学ズーム
最大10倍のデジタルズーム
写真とLive Photosの広色域キャプチャ
クアッドLED True Toneフラッシュ
スローシンクロ
進化したボケ効果
深度コントロールが使えるポートレートモード
5つのエフェクトを備えたポートレートライティング
写真のスマートHDR
デュアル12MPカメラ
広角:ƒ/1.8絞り値
望遠:ƒ/2.4絞り値
デュアル光学式手ぶれ補正
2倍の光学ズーム
最大10倍のデジタルズーム
写真とLive Photosの広色域キャプチャ
クアッドLED True Toneフラッシュ
スローシンクロ
ポートレートモード
5つのエフェクトを備えたポートレートライティング
写真の自動HDR
前面カメラ TrueDepthカメラ
7MPカメラ
ƒ/2.2絞り値
Retina Flash
写真とLive Photosの広色域キャプチャ
写真のスマートHDR
進化したボケ効果
深度コントロールが使えるポートレートモード
5つのエフェクトを備えたポートレートライティング
ビデオの拡張ダイナミックレンジ(30fps)
映画レベルのビデオ手ぶれ補正(1080pと720p)
1080p HDビデオ撮影(30fps/60fps)
アニ文字とミー文字
TrueDepthカメラ
7MPカメラ
ƒ/2.2絞り値
Retina Flash
写真とLive Photosの広色域キャプチャ
写真の自動HDR
ポートレートモード
5つのエフェクトを備えたポートレートライティング
1080p HDビデオ撮影
アニ文字とミー文字
ビデオ 4Kビデオ撮影(24fps/30fps/60fps)
1080p HDビデオ撮影(30fps/60fps)
ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps)
ビデオの光学式手ぶれ補正
2倍の光学ズーム
最大6倍のデジタルズーム
1080p(120fps/240fps)スローモーションビデオ
手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ
ステレオ録音
4Kビデオ撮影(24fps/30fps/60fps)
1080p HDビデオ撮影(30fps/60fps)
ビデオの光学式手ぶれ補正
2倍の光学ズーム
最大6倍のデジタルズーム
1080p(120fps/240fps)スローモーションビデオ
手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ

赤い下線で括っている箇所が、iPhone XSとiPhone Xのカメラの違いになります。カメラレンズのF値や解像度は全く一緒ですが、カメラセンサーやカメラレンズの数が6枚になっていたり、iPhone XSは細かい部分で進化しています。

ポートレートモードの進化

iPhone XSになり、背景のボケをより精巧に、被写体と背景を区別するための深層マッピングがさらに進化。さらに深度コントロールが一新され、写真撮影後にもボケを調整できるようになりました。

今までポートレートモードと言えばデュアルレンズが当たり前でしたが、iPhone Xからは前面カメラのシングルレンズでも使えるようになっており、その機能はiPhone XSに受け継がれています。

なお、iPhone XSは前面カメラでも背面カメラ同様のポートレートが撮れるよう、同様のボケ仕様、深度コントロールが利用できます。特に自撮りをするときはポートレートが便利で、被写体にピントを合わせながら背景を簡単にぼかす事ができるので、自撮りのときは絶対に使っておきたい機能です。

スマートHDRとは

スマートHDRとは、被写体の動きをすばやく検知できる高速センサー、より強化されたISP(Image Signal Processor)、HDRのアルゴリズムを自動HDRよりも進化させた機能です。

今まで撮影する時に、明暗の境界線がよくわからない状態だった被写体も、スマートHDRに進化したことで写真の明部と暗部がより精細に描写できるようになりました。カメラセンサー自体の進化により、暗い場所でもキレイな写真が撮れるように。

ビデオのステレオ録音が可能に

iPhone XS以前は、ビデオ撮影時の音声がモノラルの状態で録音されていたため、お世辞にも音質が良いとは言えませんでした。モノラルとは単一の音を録音/再生する方式です。

iPhone XSではデュアルスピーカーを採用しており、モノラルの単一系統音だと2つのスピーカーから同じ音が出力されてしまうため、イマイチ音の広がりがなく臨場感を味わえません。

しかし、ビデオ撮影時の音声をステレオ録音できるようになったことで、左右別々の音を自動的に録音できるようになったため、よりワイドで臨場感のある音を録音することができるようになりました。

iPhone XS/iPhone X:カメラ周りの作りを比較

iPhone XSとiPhone Xでカメラ周りの作りに違いがあるのかを、実機の写真を見ながら比較します。なお、前面のノッチ部分にあるフロントカメラは比較しようがないので省略させて頂きます。

iPhone XSとiPhone Xの背面カメラですが、デュアルレンズというのは変化なく、作りも全く一緒に見えます。iPhone XSでもカメラの出っ張りがあるため、机などに直で置いた場合、カタカタと少し不安定になるのが残念な所

クリアケースや手帳型ケースをつければ出っ張り部分と地面を平行にすることはできますが、裸でiPhone XSを使う人にとっては、この出っ張りが邪魔と感じるかもしれません。

カメラレンズの高さは同じかを比較。目で見た感じでは全く一緒だとは思います。

2つを比較してきましたが、カメラ周りの作りは全く一緒だと感じました。特にiPhone XSになったからと言ってカメラレンズが大きいわけでもありませんし、高さもほぼ一緒です。

カメラで撮影した写真を比較

実際にiPhone XSとiPhone Xのカメラで撮影した写真を比較していきます。ここで比較するのは、通常モードでの写真撮影と、ポートレートモードでの撮影になります。

通常撮影での比較

比較的明るい昼の時間帯に撮影したのが下記となります。左がiPhone X、右がiPhone XSの写真です。

通常撮影の場合そこまで大きな違いを感じられませんが、iPhone XSのほうが明るい部分と暗い部分の境界線がわかりやすくなっているかなと感じます。iPhone Xは日陰部分に合わせているのかわかりませんが、全体的に少し暗めな印象。

被写体を変えて比較。注目してもらいたいのはベンチ奥の葉っぱです。

大きな解像度で拡大しないとわかりにくいですが、葉っぱに落ちた影の付き方がiPhone XとiPhone XSでは多少異なり、明暗がくっきり別れていると感じるのはiPhone XS。

さらにわかりやすそうなサンプルが下記。iPhone Xはやはり全体的に暗い印象が残ります。

通常撮影ではさほど違いを感じられなかったカメラですが、ポートレートモードではどう変化するのかを試してみました。

ポートレートモードでの比較

通常撮影時と同じ時間帯に、今度はポートレートモードを使って写真撮影を行いました。被写体の真ん中にフォーカスを合わせ、一切調整せずに撮影した写真が下記となります。

iPhone Xでは、被写体の真ん中より手前の葉っぱも全体的にボケがかかっている感じですが、iPhone XSは細かいところに多少ぼかしが入っているものの、真ん中の被写体より奥側を中心にボケが入っているのがわかります。

別の被写体で写真を比較。デフォルト状態だと、背景のボケ具合などにあまり違いは感じられません。全体的にiPhone XSのほうが明るい箇所と暗い場所の違いがわかりやすく、被写体そのものの姿に近いです。

iPhone XSの深層コントロールが凄かった

iPhone Xのポートレートモードは全て自動検出のため、自分で絞り値などを変えることが出来ないのが課題でした。しかしiPhone XSでは自由に絞り値を変えることができるようになりました。

これは深層コントロールという機能で、ポートレートモードで撮影した写真を撮影後に絞り値を変化させ、背景のボケ具合を調整できます。

絞り値は、最小F1.4から最大F16まで調整が可能です。撮影時はF4.5が標準の絞り値となっています。

絞り値を変えるだけで、写真の印象が大きく異なっているのがわかります。絞り値を小さくすると被写体以外の背景のボケ具合が大きくなり、逆に大きくするとほぼボケのない写真に仕上がります。

なんと言っても写真撮影後に調整できるのが本当に便利だと感じました。

iPhone XSではポートレートの仕様が変わり、よりプロっぽい写真が撮れるように

ここまで、iPhone XSとiPhone Xのカメラを比較してきました。

通常時の撮影はそこまで変化を感じられませんが、ポートレートモードは深層コントロールの登場により使い勝手がグッと良くなった印象です。

今回は夜景を撮影しませんでしたが、天気の良い別の日に試してみたいと思います。

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