ネットワークエンジニアについてネットで調べていると、「辛い」「やめたい」などの呟きをよく見かけます。
こういったネガティブな情報が出てくると、「目指してたけどやっぱりやめといた方がいいのかな…」と考えてしまう人もいるはず。
そこで今回は、ネットワークエンジニアが「やめとけ!」と言われてしまう理由を解説していきます。
ネットワークエンジニアの具体的な仕事内容
ネットワークエンジニアとは、主にコンピューターシステムの構築・保守・運用などを行う仕事のことです。
未経験の方には、イメージしづらいかもしれませんが、簡単に言うと、『ネットワークシステムを作って、通信機能を動かせるようにする仕事』です。
仮に社内用の連絡ツールを作ったとしましょう。
こういったシステムは、SEによって作られていますが、送信されたメッセージを制御して、送信先のサーバーまで送り届けるシステムはルーターやスイッチが行っています。
このルーターや機器などを設計しているのがネットワークエンジニアの仕事です。
ネットワークシステムの詳細設計を行う仕事では、セキュリティや各種OSなどのネットワークに関する幅広い知識を駆使して、要望通りのシステムを作る技術が求められます。
ネットワークエンジニアが「やめとけ!」と言われてしまう理由
なぜネットワークエンジニアが「やめとけ」と言われてしまうのでしょうか。
具体的に、以下の3つの理由があります。
- 勤務時間が非常に不規則
- 設計・構築したネットワークの突発的なトラブル対応が辛い
- 仕事が非常に単調
①勤務時間が非常に不規則
ネットワークエンジニアは勤務時間が非常に不規則である点が、ネットワークエンジニアにとって1番辛い点といっても過言ではないでしょう。
ネットワークというのは、土日祝日に関わらず常に正常に動いていなければならず、ネットワーク障害が起こると、システム自体にも大きく影響が出てしまいます。
お客様のネットワークが平日に止まってしまうと、サービス自体が止まってしまうため、基本的に構築の仕事は土日作業となることが多いです。
また、保守や運用の作業は、365日必要となるので、運用サイドのネットワークエンジニアは、基本的にシフト制となります。
シフトによっては、土日祝日に入らなくてはならなかったり、時間帯も深夜や早朝になることが非常に多いため、生活リズムも大きく崩れてしまいます。
土日にしっかり休んで、規則正しい生活をしたい方にとっては、ネットワークエンジニアの仕事はとても辛いものになってしまうかもしれません。
②設計・構築したネットワークの突発的なトラブル対応が辛い
ネットワークエンジニアは、顧客の要望に合わせてネットワークの設計・構築を行います。
ネットワークシステムにトラブルが発生すると、何があってもシステム復旧作業に全力を尽くさなくてならないため、保守・運用サイドのネットワークエンジニアは、対応に追われてしまいます。
復旧が困難な場合は、設計・構築を行ったネットワークエンジニアが対応に当たらなくてはならないこともあり、復旧作業のために深夜まで業務が続くこともあります。
③業務自体が非常に論理的
ネットワークを扱うということは、そのシステムの基盤を作るということです。
例えば、会社の社内メール管理システムを作る場合、UIやUX部分にミスがあっても、そこまで支障はありませんが、ネットワークシステムに異常があると、その管理システム自体に大きく影響が出てしまいます。
つまり、ミスが許されない仕事であり、常にロジカルな思考力が求められます。
特にネットワークエンジニアは、ルーターやスイッチなど目に見える機器部分を実際に扱うことも多く、様々な知識やノウハウが必要になります。
常に、機械が相手となるため、どんな事象に対して論理的に対応する力が非常に重要になります。
ネットワークエンジニアになることのメリットは?
ここまで、ネットワークエンジニアの仕事での辛い部分について触れてきましたが、辛いことだけではありません。
ネットワークエンジニアになるメリットは以下の3つです。
- 収入は非常に安定する
- システムの根幹であるネットワークに携われる
- 実際に機器に触れることができる
①収入は非常に安定する
近年、全ての産業で「AIに仕事を奪われる」という議論が盛んに行われており、なるべく無くならない仕事を選びたいという方が多いですよね。
そんな中で、ITの基盤の部分を作るネットワークエンジニアの仕事は無くなる可能性の薄い仕事であると言われています。
AIに奪われるのは、より下流部分の仕事なので、根幹部分を扱うネットワークエンジニアの仕事は、むしろこれからよりニーズが高まってきます。
現在でさえ、ネットワークエンジニアの全体的な母数は少ないため、10年、20年後には今よりももっと希少な存在として重宝されることになるでしょう。
②システムの根幹であるネットワークに携われる
システムの根幹である「ネットワーク」に携わることが出来ることも、ネットワークエンジニアとして働く大きなメリットの1つです。
通常、他のエンジニアなら触れることの出来ない、インターネットの基盤である巨大なネットワークに触れることが出来るという経験は、ネットワークエンジニアの仕事の醍醐味でもあります。
ネットワークエンジニアには、フロントサイド(設計・構築など)とバックサイト(運用・保守など)があります。
フロント側の仕事が出来るようになると、クライアントの要望に合わせて、ネットワークの設計から構築までを担います。
クライアントである企業のシステム基盤であるネットワークを作ることは、非常に責任の重い仕事でもありますが、同時に大きなやりがいも感じることが出来ます。
③実際に機器に触れることができる
ITエンジニアの仕事の多くは、システムやアプリケーションを作ることなので、実際には目に見えない、触ることの出来ないものを作っています。
しかし、ネットワークエンジニアの仕事は実際にスイッチやルーターなどの機器に触れてシステムを構築することが多いです。
特に検証作業では、実際の機器を触る機会が多いため、小さい頃に理科の実験が好きだった方などは間違いなく好きな作業です。
【結論】ネットワークエンジニアってやめといた方がいいの?
結論から言うと、ネットワークエンジニアは「やめとけ!」と言われるほど酷い仕事ではありません。
確かに、ネットワークエンジニアの仕事は勤務時間が不規則だったり、システム障害時には深夜までの長時間労働を強いられることもあります。
しかし、業務内容自体は、比較的に堅実なものが多いですが、収入的にも安定しますし、これから市場で評価されやすくなる仕事であることを考えると、そこまで条件の悪い仕事では無いでしょう。
未経験からネットワークエンジニアに転職することは十分に可能ですが、最初から花形業務である、「設計・構築」部分を任せてもらえることはありません。
未経験の場合、最初は「運用・保守」の業務から入って、CCNA、CCNPなどの資格を取得してから設計・構築の業務にキャリアアップしていきます。
「勤務時間が不規則なのは嫌だ!でもエンジニアは興味ある!」という方は、Webエンジニアとして転職することをおすすめします。
Webエンジニアであれば、ブラックな受託開発会社やSESに当たらない限りは、ホワイトな労働環境も夢ではありません。
Webエンジニアの方が、生活リズムも安定しますし、スキルによっては年齢に関わらず、給与をアップさせることも可能です。
まとめ
今回は、ネットワークエンジニアはなぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由について中心に詳しく解説してきました。
「やめといた方がいい」「やめたい」などの記事もあることは事実ですが、必ずしも全ての人がそう思っているわけではありません。
ネットワークエンジニアとして転職を考えている方は、しっかりと情報を精査して正しい情報だけを収集するようにしましょう。