現在スマホでもイヤホンジャックが廃止される流れが始まってきており、最近ではBluetoothイヤホンなどを使っている人を多く見るようになりました。
色々なBluetoothイヤホンなどが発売されているのですが、Bluetoothの有効距離範囲って意識して使ったことはありますでしょうか。
そこで今回の記事では、Bluetoothの通信距離範囲について徹底的に解説していきたいと思います。
Classによる通信距離の違い
Bluetoothの通信距離は製品によって通信範囲が異なってくるのですが、その距離は3つの規格によって分けられています。その規格の名称を「Class」と呼び、どのような通信距離で分けられているのかを表にしましたので確認してください。
Class1 | 100mW | 約100m |
Class2 | 2.5mW | 約10m |
Class3 | 1mW | 約1m |
世の中のBluetoothの距離は3つのClassで分けることが出来ます。その中でも最も多くの製品に使われているClassが「Class2」となります。Class1もぼちぼち見かけるのですが、Class3に関しては私が今までBluetooth製品を使ってきた中では出会ったことがありません。
おそらく、みなさんが使っているBluetoothイヤホンやBluetoothキーボードなども全てClass1かClass2で作られているのではないでしょうか。
どのClassに対応しているかはパッケージを見れば書いてあることもありますが、まれにClassが書かれていない製品もあります。SoundPEATSのBluetoothイヤホンなどはパッケージにBluetoothのバージョンは書かれてありますが、肝心のClassについては書かれていませんでした。
そういった場合は製品の公式ホームページなどでClassを確認して、最大通信距離を知るしかありません。
Bluetoothの通信距離範囲を伸ばすことは可能?
Bluetoothは3つの通信距離範囲で決められていると前章で説明しましたが、果たしてその距離を無理やり伸ばすことは可能なのでしょうか。例えば、何かのアダプタに噛ませて通信距離を偽装するなどして。
結論から言ってしまうと、通信距離を伸ばす方法は存在しません。そもそも通信距離を無理やり伸ばしてしまうと電波法違反に当ってしまうので、そういった商品を発売することもありません。
もし、Class2で最大10mの距離なのに4mほどでBluetoothの通信が途切れてしまう場合は、ドングルやスマホとBluetoothイヤホン間に障害物がないか確認してみましょう。
Bluetoothの距離と障害物の関係性
Bluetoothの通信距離範囲内なのに、ぷつぷつと通信が途切れてしまう場合は、Bluetooth製品とデバイスとの間に通信を邪魔するような障害物がないか確認してみましょう。例えば障害物として挙げられるのが、
- ドア
- 壁
- 電子レンジ
- ワイヤレスデバイス
などが代表として挙げられます。
電子レンジやその他のワイヤレスデバイスが近くに存在している場合、それらが互いに干渉しあう場合があるのでプツプツと通信が途切れてしまう原因となります。
さらに、ドアや壁もBluetoothの通信を妨げる原因となりますが、その障害物の資材によっては通信度合いが変わってきます。
障害物の種類 | 干渉度合い |
木材 | 低 |
ガラス | 低 |
水 | 中 |
大理石 | 中 |
土壁 | 中 |
コンクリート | 高 |
防弾ガラス | 高 |
金属 | 非常に高い |
最近はコンクリート打ちっぱなしのマンションなども多くなってきたので、部屋を挟んでしまうとBluetoothの通信範囲内なのに、プツプツと通信が途切れてしまうことも多くなっています。
ですので、なるべく障害物の存在しない範囲、言ってしまえばデバイスを置いてある部屋の中でBluetooth製品を使うことが好ましいです。
Bluetoothイヤホンの距離範囲について
多くのBluetoothイヤホンの通信距離はClass2の最大10mとなっています。
ただし、これはあくまでも最大10mの距離で通信可能というだけなので、必ずしも10m以内ならクリアな音質をイヤホンで楽しめるわけではないということです。
もっと言ってしまえば、とりあえずBluetooth接続できる距離範囲が最大10mなので、ハッキリとしたプツプツ途切れない音を楽しむには最低でも5m範囲内で聞かなければいけないかなと経験則で感じています。
もちろんその5mの中に何らかの障害物が存在していると音は途切れてしまいますし、通信距離範囲も狭くなってしまいます。
そして、Bluetoothイヤホンは色々なコーデックに対応した製品があるのですが、その中でも「apt-x」の圧縮方式に使ったBluetoothイヤホンが比較的おすすめです。apt-xは伝送エラーにも強いと言われ、音飛び対策としても強さを発揮してくれます。
最近のBluetoothイヤホンはapt-x対応の製品が多いのでそこまで気にしなくても良いですが、一応Bluetoothイヤホンを購入する際はコーデックにも目を通してから購入するようにするといいでしょう。
参考:Bluetoothイヤホンおすすめ比較2017!スポーツ・ランニング用でも音質にはこだわろうiPhone/iPadのBluetooth通信距離
iPhoneやiPadがBluetoothイヤホンなどと接続する場合、通信距離はどのくらいになるかというお話ですが、これはiPhoneではなくBluetoothイヤホンのClassによって通信距離が変わってきます。
もしBluetoothイヤホンがClass2でしたら最大通信距離は10mになりますし、Class1でしたら最大100mとなります。もちろんこの規格はBluetooth製品側で決められた距離となるので、距離を伸ばすこともできません。
おまけですが、各iPhoneによるBluetoothのバージョン対応についてを表としてまとめました。
iPhoneのバージョン | Bluetoothバージョン |
iPhone7 | Bluetooth4.2 |
iPhone7 Plus | Bluetooth4.2 |
iPhone6s | Bluetooth4.2 |
iPhone6s Plus | Bluetooth4.2 |
iPhoneSE | Bluetooth4.2 |
最新のiPhoneは全てBluetooth4.2に対応しているので、ほぼ全てのBluetoothイヤホンで使うことができます。強いていうならばBluetooth4.0を使うと良いでしょう。iPhoneでBluetooth4.0のイヤホンを使うと、Bluetoothイヤホンのバッテリー残量が表示されるのでおすすめです。
また、Bluetoothの規格には上位互換があるため、Bluetooth3.0の製品もBluetooth4.2に対応しているのでしたら問題なく使うことができます。
最後に
以上が、Bluetoothの通信距離範囲についての説明でした。
今回の記事内容を簡潔にまとめると、
- Bluetoothの通信距離を伸ばすことはできない
- Bluetoothは3つのClassで距離範囲が決められている
- 障害物はなるべく避けて通信する
- iPhoneはほとんどのBluetoothイヤホンで通信可能
Bluetoothの距離範囲は予め決められているので、距離を伸ばすことは出来ないというのが今回の記事でのポイントです。ですが、距離範囲内なのに通信が途切れてしまう場合の対処法として、障害物を避けると距離範囲が伸びるのでお試しください。